大型液晶パネルの出荷量(Samsugn社の決算説明資料より)

薄型テレビの市場シェア(Samsugn社の決算説明資料より)
 韓国Samsung Electronics Co., Ltd.の2007年10月~12月期決算は増収ながら減益となった。売上高は前年同期比11%増の17兆4800億ウォン,営業利益は同13%減の1兆7800億ウォン,純利益は同6%減の2兆2100億ウォンである。液晶パネル事業の増益を半導体事業の減益が相殺した。

 半導体事業の売上高は前年同期比9%減の4兆9100億ウォン,営業利益は同74%減の4300億ウォンだった。大幅な減益はメモリの単価下落によるところが大きい。DRAM,NANDフラッシュ・メモリともに供給過剰により価格が下落した。DRAMの出荷数量(ビット換算)は直前四半期比で17%増加,NANDフラッシュは同44%増加している。システムLSIは液晶ドライバICやCMOSセンサなど携帯機器向けの各種製品が好調で,直前四半期比で増収増益となった。

 液晶パネル事業は,売上高が前年同期比40%増の4兆4600億ウォン,営業利益が同197%増の9200億ウォンと好調だった。大型パネルの出荷数量は直前四半期比で6%増,特にテレビ向けは好調で27%増となった。テレビ向けパネルでは46型以上の品種の出荷が伸びており,テレビ向け出荷の25%を占めた。平均販売単価も好調に推移しており,例えばデスクトップ・パソコン用モニタ向け19型ワイド品は直前四半期比で4%上昇,ノート・パソコン向け15.4型ワイド品は2%上昇した。テレビ向け40型品は直前四半期とほぼ同等である。

 通信事業は,売上高は前年同期比16%増の5兆3700億ウォン,営業利益は同66%増の5800億ウォンと増収増益である。携帯電話機の販売台数は前年同期比41%増の4630万台と大きく伸びた。薄型の「Ultra Edition」シリーズが450万台,500万画素カメラ搭載機が110万台売れるなど,高付加価値品の好調が目立ったとしている。地域別の売上比率でも欧米向けが直前四半期の56%に対して62%に拡大した。3G端末(第3世代サービス対応機)の販売台数は直前四半期比33%増の730万台となっている。

 デジタル・メディア事業は売上高が前年同期比13%増の1兆6400億ウォン,営業損失は前年同期より200億ウォン改善して1300億ウォンとなった。薄型テレビの出荷は前年同期比83%増と好調で,市場全体の成長率35%を大きく上回った。