富士キメラ総研は,電子機器向け高分子材料の市場規模予測を発表した。それによると,2007年の市場規模を5兆2172億円と見込む。今後2011年までは年平均6.8%で成長し,2011年には6兆7916億円の市場規模に拡大すると予測している。

 調査対象の部材は,液晶パネル関連を中心とする表示向け材料(表示材)から22品目,半導体製造工程で使用する部材(半導体)から11品目,プリント基板関連部材(プリント基板)から12品目,バッテリーやコンデンサ関連部門(バッテリー/コンデンサ)から7品目,その他注目される部材から5品目の合計5分野・57品目である。

 部材別の2011年までの年平均成長率は,表示材が8.3%,半導体が6.1%,プリント基板が5.8%,バッテリー/コンデンサが6.9%になると見込む。

 電子機器向け高分子材料市場の大半を占めるのは液晶パネル関連部材を含む表示材であり,2007年の市場規模を3兆1840億円と見込む。2011年での予想市場規模は4兆3822億円。表示材市場では,透明樹脂や光学フィルムなど多用途に使えるプラスチック系部材が占める割合が高く,2007年の使用量は約44万トンになる。表示材は今後,材料開発において多機能化技術が一つのターゲットになるという。ディスプレイの薄型化やコストダウンを背景に,各部材の機能が集約化するためである。

 半導体高分子材料の市場規模も,2007年まで平均9.3%増と好調な伸びで推移している。2007年の市場規模は3802億円。2011年には市場規模が4813億円に拡大するとみる。半導体プロセスの微細化の進展や半導体ウエハー生産量の拡大,そしてNANDフラッシュ・メモリ向けの需要拡大などに大きく影響を受けているとする。