松下電器産業は,60GHz帯のミリ波を使う無線データ通信規格「WirelessHD」に基づくAV伝送システムを開発したと発表した。開発に際して,米半導体ベンチャーのSiBEAM,Inc.の協力を仰いだ。開発した伝送システムでは,テレビとBlu-ray DiscプレーヤーなどのAV機器の間で,非圧縮のHDTV動画を画質の劣化なくやりとりできる。松下電器産業は,2008年1月7~10日にかけて米国ラスベガスで開催される「2008 International CES」でこのシステムを展示する。

WirelessHDは,家庭のAV機器で広く利用されているインタフェース「HDMI」を無線化することを狙った規格である。
松下電器によれば,WirelessHD を採用することで,家庭内のAV機器の配置に大きな自由度が生まれるとする。例えば,HDTV対応のPDPテレビを壁掛けにして,これと接続するBlu-ray Discプレーヤーを離れた位置に置いても,その間のわずらわしい配線などを不要にできる。

 SiBEAM社は60GHz帯向けのRFトランシーバIC技術を持つ。同社の技術を利用することで,無線の送信機器と受信機器の間に人間などの障害物があっても,即座にアンテナの指向性を替えることなどにより,安定したデータ通信が可能になるとする。