総務省は2007年12月21日,放送法の改正案が参議院で可決され,成立したことを明らかにした。新しい放送法は(1)地上デジタル放送の1セグメント放送(ワンセグ)で,一般のフル・セグメント放送(フルセグ)と独立した番組を放送できるようにする,(2)日本放送協会(NHK)の過去の番組をインターネットで有料で配信するサービスを認める,などの内容を含んでいる。法案の施行は「公布(官報での発表)から1年以内に実施する」(総務省)という。

 NHKは当初,この法案の成立を想定して2007年6月に「アーカイブス・オンデマンド推進室」を設置し,2008年中のサービス開始を目指していた。ところが,法案の審議が大幅に遅れ,サービスの実現を危ぶむ声も一部に出ていた。

 審議が遅れた理由の一つは,参議院で優勢な民主党が,改正案の原案にあった規定の一部に反対していたため。具体的には,関西テレビの番組「発掘!あるある大辞典」での捏造事件の再発防止規定である。今回,この規定が改正案から削除されたことで審議が進み,参議院でも可決に至った。

 サービス開始時期についてNHKは「これからサービスのイメージを具体化する段階。まだ予定時期などを言える段階にない」とコメントした。