松下電器産業とキヤノン,日立製作所の3社が,フラットパネル・ディスプレイ(FPD)事業に関して,業務提携する方向で最終調整に入ったと,日本経済新聞が2007年12月19日の朝刊で報じた。

 本報道に関する本誌の取材に対して,松下電器産業,キヤノン,日立製作所の3社はそれぞれ19日の10時30分の時点で「FPD事業提携に関して一部報道がありましたが,決定した事実はありません」とコメントしている。

 記事によれば,松下電器産業とキヤノンは,日立製作所の完全子会社で中小型の液晶パネルの製造や有機ELパネルを開発する日立ディスプレイズに出資する。株式の50%強を日立製作所が握り,残りを松下電器産業とキヤノンが保有する案が有力という。出資後は,日立製作所とキヤノンが主導で,有機ELパネルを開発および製造するとした。

 また,松下電器産業が日立ディスプレイズに出資することで,これら2社と東芝の3社が出資する大型液晶パネルを製造するIPSアルファテクノロジへの松下電器産業の出資比率を50%超に拡大,影響力を拡大する見通しだという。IPSアルファテクノロジに対する現在の出資比率は,日立ディスプレイズが50%,松下電器産業が32%,東芝が16%。松下電器産業は,IPSアルファテクノロジへの影響力を高めた後に液晶パネル製造に本格参入する見通しだとする。40型台の液晶パネルを効率よく製造できる「第8世代」のガラス・サイズのパネル工場建設を計画するという。松下電器産業はこれまで,PDPテレビの製造に注力してきた。