今回のISSCCでは,ヘルスケア分野に向けたエレクトロニクス技術の新たな可能性を示す発表が多数予定されている。中でも,人間の日常生活におけるデータを継続的に測定する,いわば「ライフ・レコーダー」に向けた技術の発表に注目したい。

 日立製作所は,人間の体温を4カ月間連続してモニタリングする技術を発表する(講演番号7.1)。日常の健康データの推移や変化を測定することで,人間の隠れた内部状態を把握する一つの手段としての提案である。

 体積30cm3のバッジ型ワイヤレス・センサ・モジュールを利用する。このモジュールの電池寿命は3年間という。

 このほか韓国KAISTは,布地に実装できる健康モニター用チップについて発表する(講演番号7.8)。布地に直接実装できるため,ウェアラブルなモニタリングが可能になる。継続的に健康状態をモニターする用途に向ける。

 チップの大きさは3mm×5mm。250nmルールのCMOS技術を用いて設計した。動作周波数1MHz,供給電圧2V時の消費電力は1.12mW。