米Google Inc.は2007年11月30日, 米連邦政府が2008年1月24日から実施する予定の「700MHz帯(698 - 806MHz)の周波数オークション」に参加すると正式に発表した(発表資料)。発表資料で,同社,Chairman and CEOのEric Schmidt氏は「我々は,我々の原則に沿った資金の活用を重視している。消費者は無線サービスでも,もっと競争と革新の成果を得られるはずだ」と言う。Google社は以前,今回のオークションに少なくとも46億米ドルを用意すると発表している。なお,発表資料によるとGoogle社は単独で今回のオークションに参加する。同社が入札のために他社と組むという見通しは外れた。

 今回の発表に関連した同社のブログ記事(同記事)で,Google社,Head of Special InitiativesのChris Sacca氏は,「米国人の多数はいまだにインターネットにアクセスできない。今回のオークションはより多くの人々に,インターネットの豊かさを提供するかつてないチャンス」と述べている。Google社は,オークションで得た周波数を活用する具体的な計画を明らかにしていないが, 自社で無線サービスを展開するのではなく,同社の狙いを理解する無線サービス企業に委託するだろうとの観測が業界では根強い。

 オープンで自由なインターネット的な方法論を,無線サービス業界に持ち込む意図をGoogle社が持っているのは明らかだ。既に,Google社は「Android」と呼ぶ携帯端末向けオープンソースのソフトウエア・プラットフォームを推進する業界団体「Open Handset Alliance(OHA)」(Tech-On!関連記事その1その2)を2007年11月5日に設立している。アプリケーションやサービスを現在の携帯電話端末より自由に追加できるようにしたいという同社の意図はここにも垣間見える。

 2008年1月24日から米連邦政府が実施を予定する700MHz帯のオークションでは, 4個の周波数ブロック(698-704MHz+728-734MHz=12MHz,704-710MHz+734-740MHz=12MHz,722-728MHz=6MHz,746-757MHz+776-787MHz=22MHz)が対象になる。このうち最も幅が広い746~757MHzと776~787MHzの周波数帯をライセンスされた団体は,ユーザーが好みの携帯電話端末を自由に利用でき,端末上で動作するアプリケーションを自由に選べる無線サービスを提供することを,米FCC(連邦通信委員会)によって義務付けられている。Google社は,この周波数に入札するもようである。

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