NECエレクトロニクスは,半導体の国内生産拠点を現在の7社から3社へ再編する。従来は前工程のみを行う拠点や後工程のみを手掛ける拠点もあったが,統合後の3拠点はそれぞれ前工程と後工程を両方備える。SoCやMCUといった半導体の種類ごとに縦割りの体制を整える計画だ。NECエレクトロニクスはこの再編をコストの削減や品質の向上に結びつけたいとしている。

 NECファブサーブ(神奈川県相模原市)の持つ先端品の試作など向けの300mmウエハー対応ラインは,2009年3月をメドに生産活動を終了し,山形日本電気(以下,NEC山形)に移管する。同時に,NEC山形の敷地内に先端プロセス,デバイスの開発を行う事業場を新設する。山形地区を先端品の開発から量産までを行う拠点として強化する計画という。

 相模原の300mmライン関連事業に携わる従業員約700人は一部を除き,新設される山形事業場やNEC山形,NECエレクトロニクス本社(神奈川県川崎市),32nmプロセスの共同開発が決まった東芝のアドバンストマイクロエレクトロニクスセンター(神奈川県横浜市)などに移る(Tech-On!関連記事)。

 九州日本電気(以下,NEC九州),山口日本電気,NECセミコンパッケージ・ソリューションズ(福岡県柳川市)の3社は,NEC九州を存続会社とした吸収合併を2008年4月に予定している。合併後は主にMCUの生産拠点となる。

 関西日本電気は2008年4月,福井日本電気を吸収合併する予定。合併後は,パワー半導体や表示ドライバ,化合物半導体を生産していく。