米国連邦裁判所判事は,米Broadcom Corp.と米QUALCOMM Inc.が争っていた特許侵害訴訟において,QUALCOMM社がBroadcom社の保有する特許3件を侵害しているとの事実を認めた。加えて,Broadcom社に損害賠償金を受け取って再審理を避けるか,再審理を開始するかの選択肢を提供した(発表資料)。Broadcom社が,2007年11月23日に明らかにしたもの。Broadcom社は再審理を求めず,1960万米ドルの賠償金を受け取る考え。ただし,特許侵害が認められた第3世代携帯電話機向けチップをQUALCOMM社が製造および使用,販売,開発することを禁止する命令を求めるとしている。

 この訴訟は,QUALCOMM社の携帯電話機向けベースバンド・チップなどがBroadcom社の保有する特許3件を侵害しているとして争っていたもの。米国カリフォルニア州サンタアナの連邦地方裁判所の陪審は2007年5月に,全員一致で「Broadcom社の保有する特許をQUALCOMM社が意図的に侵害した」との評決を下した(Tech-On!の関連記事)。その際,陪審はQUALCOMM社のBroadcom社への損害賠償金1960万米ドルを,2倍の3930万米ドルに引き上げるかどうかの判断を判事に委ねた。判事は2007年8月,特許の侵害が意図的であったことを理由に,Broadcom社へ3930万米ドルの損害賠償と弁護士費用を支払うようQUALCOMM社に命じた。

 その後,米国連邦法の「意図的」に関する扱いが変更されたため,判事は損害賠償の引き上げを再検討し,2007年11月21日に今回の最終的な裁定を下した。Broadcom社への損害賠償を1960万米ドルに戻し,Broadcom社に損害賠償を受け取って再審理を避けるか,再審理を行うかどうかを選択させた。

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