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 ついに第4世代ケータイに向けた新たな周波数が固まった。

 国際電気通信連合の無線通信標準化部門「ITU-R」は,国際的に利用するIMT(第3世代および第4世代移動体通信システム)向けの新たな周波数帯を決定した。具体的には,3.4G~3.6GHzの200MHz幅,2.3G~2.4GHzの100MHz幅,698M~806MHzの108MHz幅,そして450M~470MHzの20MHz幅である。

 すべてをあわせると,約430MHz幅が利用可能になる。現在,わが国で携帯電話サービスに利用可能な周波数帯域幅は,あわせて333MHz幅だった。今後,新たに割り当てられた帯域を中心として,第4世代移動体通信システム「IMT-Advanced」の議論が進められることになる。IMT-Advancedでは,現行世代を大きく上回る1Gビット/秒以上のデータ伝送速度でのサービスなどが検討されている。

 ITU-Rは,2007年10月22日~11月16日の会期で,「世界無線通信会議(World Radiocommunication Conference:WRC-07)」をスイスのジュネーブで開催していた。WRCは3~4年ごとに開催されるITU最大規模の会議で,国際的な周波数分配を各国間で調整するために開催する。今回のWRCでは,第4世代携帯電話に向けた将来の周波数確保が大きな議題だった。

 総務省はITU-Rの決定を受けて,「わが国は,既存業務との問題が少ない3.4G~3.6GHz,および698M~806MHzの利用を促進する」と発表した。今回の会議では,世界で100カ国以上の国が,3.4GHz帯を移動体通信システムに利用することを表明している。総務省は「第4世代システム用に3.4GHz帯が利用可能になったことは,わが国の第4世代移動体通信システムの実現に確固たる足場を築くもの」とコメントしている。なお今回のWRCには,世界161カ国から約2800人が参加していた。

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