大同メタル工業は,自動車エンジン用半割軸受の国内工場2カ所を閉鎖する。閉鎖するのは東京工場(神奈川県横浜市)と埼玉工場(埼玉県入間市)で,両工場の生産の大部分を100%子会社である大同プレーンベアリング(岐阜県関市)に移管する。

 大同メタルは自動車用エンジン軸受の生産拠点を国内に5カ所,海外に7カ所,構えているが,今回の2工場閉鎖で首都圏には生産拠点がなくなる。閉鎖の理由を同社は,地域環境や人材確保の観点からと説明する。「工場周辺に住宅が増えて,周辺住民との問題も懸念される。また,都市部では製造業への就職意向が低く,都市化が進んだ両工場周辺では従業員の採用が難しくなる一方だ。(両工場周辺は)ものづくりをするような場所ではなくなった」(同社広報)。2拠点の従業員は合計で約120人。大同メタルは「転勤が前提になるが,雇用は確保する」としている。

 東京工場の生産金額は9000万円/月。2008年1月~3月に生産設備の移管を進め,同4月に生産活動を終了する。埼玉工場の生産金額は1億8000万円/月である。2008年2月~7月に生産設備を移管し,同8月に生産活動を終了する計画だ。