トヨタ自動車は2007年11月7日,2007年度第2四半期(2007年7~9月)の連結決算を発表した。売上高は6兆4896億円,営業利益は5967億円,当期純利益は4509億円を計上し,すべての項目で前年度同期を上回った。2007年度上期(2007年4~9月)では,売上高は13兆122億円,営業利益は1兆2721億円,当期純利益は9424億円。すべての項目で過去最高を更新した。アジア(日本を除く)や中南米,南アフリカといった新興市場での販売が伸びている。

 2007年度上期の営業利益の増減要因および額は,研究開発費や減価償却費といった諸経費の増加で-1513億円,為替差益で+1500億円,営業面の努力(販売増)で+1300億円,原価改善の努力で+500億円,全体では1787億円の増加だった。「諸経費の増加」分の内訳は,研究開発費の増加が531億円,減価償却費および設備関連費用が430億円,労務費の増加が293億円,金利スワップ評価損失が37億円,その他が222億円,計1513億円である。

 日本市場の2007年度上期の業績は,売上高が7兆3168億円(前年度同期比13.4%増),営業利益が7733億円(同13.0%増)となり,増収増益だった。ただし,第2四半期だけを見ると増収ながら減益である。この理由に関して,同社専務取締役の鈴木武氏は「経費の計上サイクルおよび経理上の技術的な問題」と説明している。

 日本市場の2007年度上期の連結販売台数(ダイハツ工業および日野自動車を含む)は100万6000台で,前年度同期の107万3000台から減少した。通期では224万台を見込んでいる。当初は232万台と見込んでいたが,下方修正した。ただし,日本市場では国内外で「レクサス LS」の販売が好調に推移していることから,販売・生産の車種構成が改善しているほか,相次ぐ新車投入により2007年8月以降は販売台数が上向き始めているという。

 「新たな収益の柱になりつつある」(鈴木氏)のが,日本を除くアジア。同市場は一時期,市況が低迷していたが,最近は全体的に回復基調にあり,同社の販売台数も大幅に増加した。2007年度上期の販売台数は45万2000台,前年度同期は38万2000台だった。タイおよびインドネシアの生産拠点では,全体の生産台数に占めている域外輸出の割合が増えており,強固な収益構造を確立しつつあるという。

 アジアのほか,中南米やアフリカといった市場の成長もあり,海外市場の通期の連結販売台数を,当初見込みの657万台から669万台に上方修正した。これにより,全世界における2007年度通期の連結販売台数も,当初見込みの889万台から893万台に上方修正した。前年度は852万4000台だった。

 2007年度通期の業績見込みに関しても上方修正した。売上高は25兆5000億円(当初見込みは25兆円),営業利益は2兆3000億円(同2兆2500億円),当期純利益は1兆7000億円(同1兆6500億円)である。

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