Shareの利用画面
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Fireworks次版でFlexアプリケーションを開発
Fireworks次版でFlexアプリケーションを開発
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 アドビシステムズが2007年11月1~2日に東京・台場で開催した「Adobe MAX Japan 2007」では,「Technology Sneak Peek」と題して,まだ製品化が決まっていない技術の紹介セッションが設けられた。紹介された技術は全部で9種類。既にベータ版のサービス提供を始めたものや,米国で発売済みのものもあったが,日本での製品化時期についてはあくまでも「未定である」と強調していた。

 まず最初に登場したのが,オンラインのデータ共有サービス「Share」。これは既にベータ版で,招待ベースだがユーザーも公募している。画面には共有の手順が示されており,まずローカルにある共有したい文書を指定してアップロードし,さらに共有する相手をメールで指定する。またアップロードした画像や動画を,ブログやWikiなどに埋め込むためのURLを自動生成する機能を備えている。PDFなどであれば,文書の内容をダウンロードすることなくプレビューできるという。

 2番目に登場したのが,「Fireworks次版」でFlexやAIRアプリケーションを作成するというもの。Fireworks自体は「Photoshop」とは異なる画像編集ソフトであり,その意味では「Thermo」(開発コード名)と似たアプローチと言える。ただしThermoがPhotoshopで編集した画像から自動的にFlexのコンポーネントを生成するのに対し,Fireworksでは画像の構成要素の一部としてFlexのコンポーネントを利用できる,という形になっている。具体的には「Common Library」のなかに「Flex Components」という項目があり,その中からFlexのコンポーネントを選んで,画像と同じようにレイアウトしていく。

 このほか,手軽に動画を作成するソフトとして「Visual Communicator」や,DTPソフト「InDesign」で作成したテンプレートからWWWコンテンツを作成するデモ,「Astro」(開発コード名)を使った3次元表示のデモなどがあった。

 記者が一番面白いと思ったのは,最後に登場した「Seam Carving」というデモ。通常写真のサイズを変更するとき,縦横比を保持しないと,画像が縦長になったり横長になったりする。例えば山などを背景に自動車が写っている場合に,画像の横幅だけを縮めても,自動車の部分はそのまま保持し,背景に写るあまり主題とは関係のなさそうなものを自動的に識別して縮める。コード量としてはわずか20行程度で実装できるという。