図1 デモ車両。「オデッセイ」を3台用意した
図1 デモ車両。「オデッセイ」を3台用意した
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図2 追突防止の実験概要
図2 追突防止の実験概要
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図3 追突防止の表示画面
図3 追突防止の表示画面
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図4 左折時の巻き込み防止の実験概要
図4 左折時の巻き込み防止の実験概要
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図5 巻き込み防止の表示画面
図5 巻き込み防止の表示画面
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図6 右折時の衝突事故を防止する実験概要
図6 右折時の衝突事故を防止する実験概要
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図7 右折時の表示画面
図7 右折時の表示画面
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 新交通管理システム協会(UTMS)は,2007年11月2日に栃木県宇都宮市の公道で実施する路車間通信を利用した「安全運転支援システム(DSSS:driving safety support systems)」の公開実証実験を披露した(図1,関連記事1関連記事2)。一般者向けに募集した公開デモは11月5~7日に実施する。

 同実験は,栃木県DSSS検討作業部会の実証実験の一環として実施するもので,部会長はホンダである。民間企業としてはホンダのほか,アルパインやOKI,オムロン,小糸工業,住友電気工業,日本信号,日本無線,パイオニア,富士通,松下電器産業,三菱電機の合わせて12社が参加している。

 実証実験は,(1)カーブの先など見通しが悪い場所での追突防止,(2)左折時の2輪車の巻き込み防止,(3)右折時に反対車線を走行する直進2輪車との衝突防止(右直事故の防止),の三つを実施する。

 (1)の追突防止は,起伏のある道路の先で起こっている渋滞を知らせてくれるというもの(図2)。道路上に設置した監視カメラで渋滞を認識すると,走行してくる車両に光ビーコンの路側機から情報を提供する(図3)。今回のデモでは渋滞が起きていなかったため,ダミーの情報を流した。

動画 ビデオ1 追突防止編(約11秒の動画)
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 (2)の左折時の巻き込み防止は,カメラで2輪車を認識して車両にDSRCを介して情報を提供する(図4)。実際に巻き込み防止の警告を表示するのは,左側の車線に配置した光ビーコンの下を通過した車両で,車速が10km/h以上,かつ左ウインカーを動作していることが条件となる(図5)。しかも,進行方向の信号が赤の場合は青信号にならないと情報提供はしない。DSRCからは100msごとに情報が送信されているという。

動画 ビデオ2 左折巻き込み防止編(約13秒の動画)
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 (3)の右直事故の防止は,右折しようとする車両に対向車の存在を知らせる(図6)。右折レーンにいる車両に対して,カメラで認識した対向車の存在をDSRCを介して提供する。
右折レーンにいるかどうかの判断を光ビーコンで行い,ウインカーを点滅させているどうかかは関係なく,対応車すべてに情報を提供する。カメラで認識した車両が自動車やトラックの場合は小さな警告音と共に「対向車注意」という画面を,2輪車の場合は大きな警告音と共に「注意 二輪車」という画面を表示する(図7)。

動画 ビデオ3 右直事故防止編(約15秒の動画)
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 今回の実証実験では,DSRCにはETCで利用している通信プロトコル「ARIB STD-T75」を使っている。DSRC受信器には三菱電機製の次世代ITS車載器を用い,同社が試作したDSSS用の処理装置を搭載し,カーナビと連動させている。

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