クラリオンは,4個のカメラで車両周辺を上方から俯瞰するシステムを第40回東京モーターショー(一般公開日:2007年10月27日~11月11日)で参考出展した(図1,2)。カメラは前方,両サイド,後方の4カ所に設置する。特徴は,前方と後方のカメラの視野角を180度以上にしたことで,映像を合成するつなぎ目の方向を,Aピラー付近から車両に対して横方向になるようにしたことである。同様のシステムを各社が提案しているが,合成するつなぎ目がAピラー付近から車両に対して斜め方向になるシステムが多い。「四つの映像を合成する際のつなぎ目は,映像の歪みを生じやすい。我々のシステムでは車両前方が見やすくなり,運転者にとって使いやすい」(同社の説明員)という。カメラはCCDを使い,画素数は約25万画素で,フレーム速度は30フレーム/秒である。
今回のシステムの映像では,映像のつなぎ目をはっきりと表示させている。「映像を合成する際に,つなぎ目が分かりにくいような処理をすることも技術的に可能だが,あえてしなかった」(説明員)という。この理由として同社は「つなぎ目をあえて表示することで,運転者につなぎ目付近の映像を過度に頼らないことを意識してもらうため」(説明員)とする。
映像を合成する際の電子制御ユニット(ECU)はクラリオン製で,映像処理エンジンとして専用のLSIを使う。