図1 日野自動車が開発した車両の上方からあたかも車両周辺をカメラで俯瞰した様子。
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図2 表示画面は3分割してあり,エリア内の物体が動くとその部分を赤色で点滅する。
図2 表示画面は3分割してあり,エリア内の物体が動くとその部分を赤色で点滅する。
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図3 カメラをフロント・ウィンドウの上方に搭載している
図3 カメラをフロント・ウィンドウの上方に搭載している
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 日野自動車は,トラック向けに同じカメラ4個で車両周辺を上方から俯瞰したカラー映像をモニターに表示するシステムを第40回東京モーターショー(一般公開日:2007年10月27日~11月11日)で披露した(図1,2,3)。モニターには通常,前方と両サイドに設置した3個のカメラによる映像が表示される。ギアをバックに入れると,両サイドと後方のカメラの映像に切り替わる。表示画面は3分割してあり,分割したエリア内で物体が動くと,そのエリアを赤色で点滅したり,警報音で運転者に注意を促したりすることが特徴である(図2)。搭載時期は未定である。

 カメラはCCDを使う。画素数は約300万画素と多く,フレーム・レートは30フレーム/秒である。視野角は140度となる。表示する範囲は前後のカメラで約5m,両サイドは約2.5mである。両サイドの映像では「最大10cm程度の誤差で距離を判別できる」(同社の説明員)という。

 同社では,物体の動きを検知する際,車速と物体の相対速度を考慮することで静止している物体の誤検知を防ぐアルゴリズムを搭載している。だが「木が大きく揺れると反応してしまう」(説明員)など課題は多いという。

 このほか,カメラの設置場所に応じて距離の較正作業を簡略化することも大きな課題である。現在は,車両から一定距離の位置に白線を引き,その白線を基準に距離の較正を行っている。トラックの場合,1車種でも装着品などの違いによる派生車が多く,カメラの取り付け位置のバリエーションが乗用車に比べると多い。このため,生産時に基準線を使って較正するという手順を踏むと,コストへの影響が大きくなってしまう。

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