プレス工業は,部品の軽量化などに有効な新工法を「第40回東京モーターショー」(一般公開日:2007年10月27日~11月11日)で明らかにした。鋼板を「折り紙のように曲げる」(同社)塑性加工法だという。一部メーカーのピックアップ・トラックでは既に採用されており,今後はトラックメーカーなどに提案していく。

 新工法の名称は「Paper Folding Form(PFF)」。製品化されたのは,ピックアップ・トラックのアクスル用スプリングシート。従来は,“外枠”と“内側の構造材”を別々に用意しておき,最後に溶接していた。新工法は,1枚の鋼板を“折り畳む”ことによって望みの形状を得る。プレスの一種ということだが,詳細は「現時点では話せない」(会場の説明員)。

 新工法の特徴は,まず溶接部がないので,信頼性が高いこと。剛性を確保しやすいという。次に,部品の軽量化。一般に,新工法では従来工法より薄い板を使えると,同社は主張する。剛性が必要な部分は,折り畳んで厚くすればよいからだ。これによるコスト削減も見込めるという。

 同社は,前出のスプリングシートのほかに幾つかの試作品を作製し,会場で展示している。トラックフレーム用のバンプ・ラバー・ブラケットやスプリング・ブラケット,それからキャブ・マウント・ブラケットである。同社は,実際にはこれらをフレームと一体の部品としてトラックメーカーなどに納入している。従って顧客の新車開発プロジェクトの中で新工法を提案していく予定だ。

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新工法「PFF」の概要。
新工法「PFF」の概要。
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新工法で造ったスプリングシート。従来は内部の構造材と外枠を溶接していた。
新工法で造ったスプリングシート。従来は内部の構造材と外枠を溶接していた。
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トラック用のスプリング・ブラケット。向かって手前側の空間をリーフスプリングが通る。奧側をフレームに取り付ける。
トラック用のスプリング・ブラケット。向かって手前側の空間をリーフスプリングが通る。奧側をフレームに取り付ける。
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