エルピーダメモリは2007年10月24日,2007年度第2四半期(7~9月)の決算を発表した(リリース関連資料)。売上高は対前年同期比0.4%増の1116億円,営業利益は同110億円減の61億円となった。DRAM価格の急落で競合他社が軒並み赤字になる中,黒字を維持できたことは「まずまずの結果」(同社)とする。

 汎用DRAMのスポット価格はこの1年間で約60%下落しており,この影響を同社の営業利益に換算すると対前年同期比で300億円分の損失になるという。それにもかかわらず,黒字を維持できた理由として,(1)携帯機器やデジタル家電向けのプレミアDRAMの売り上げ拡大,(2)外部調達比率の増加,(3)70nm品の比率の増加,(4)生産枚数の増大,(5)歩留まりや生産性の改善などを挙げた。プレミアDRAMの売上高に占める割合は54%と高い。70nm品の比率は現在60%で,2007年12月には75%に達する見込みである。

 2007年度の設備投資額は約1600億円と前回の計画から300億円増やした。競合他社は投資を抑制する方向であり,DRAM市況が改善する2008年には差が付くと見る。主に広島エルピーダメモリの70nmへの転換分と,台湾Powerchip Semiconductor Corp.(PSC)との生産合弁会社であるRexchip Electronics Corp.(関連記事)の立ち上がりによって,対前期比のビット成長率を2007年度第2四半期の8%から第3四半期には10%に増やす。Rexchipによる生産分は赤字だが,2008年1~3月には黒字転換するという。

 台湾United Microelectronics Corp.との技術提携(関連記事)に関しては,「本当は日本メーカーと手を組みたかったが,ディシジョン・サイクルが合わなかった」(エルピーダメモリ 代表取締役社長兼CEOの坂本幸雄氏)とコメントした。

 6F2セルのDRAM技術に関しては,2007年11月に最初のロットを流して問題点を抽出し,2008年1~3月にも量産化する計画とする。