日立製作所は,2005年8月から2006年3月までに製造した国内向け26型液晶テレビに不具合があるとして,無償点検・修理を実施する(ユーザーへのお知らせ)。「パチッ」と音がしたり一瞬だけ煙が見えたりした後,電源が切れることがある。対象台数は2万4509台。

 不具合の原因は,電源ユニット内の過電圧保護回路に用いるバリスタである。バリスタの特性にバラつきがあり,過電圧が繰り返し掛かることで劣化が想定以上に進むことがあるという。この結果,バリスタの絶縁部が破損,高熱を発する。この時に発煙を伴うことがある。

 こうしたバリスタの破損事例は,2005年10月に初めて発生したのを皮切りに,現在までに38件を確認した。日立製作所によれば,バリスタの周囲は難燃性の材料および金属カバーで覆われているため「延焼する心配はないと考えている」(同社)。バリスタが破損する際には,直列に接続したヒューズが切れるため,発熱は短時間で終わる。

 2006年3月以降に製造したテレビについては,過電圧保護回路をバリスタ式からスイッチ式に切り替えており,同様の問題は発生しないという。対象製品について,同社はスイッチ式の電源ユニットに交換する措置を取る。