任天堂は「任天堂カンファレンス 2007.秋」を開催し,「Wii」および「ニンテンドーDS」向けの新作ゲームやサービスを披露した。
この年末商戦の最大の目玉は,健康をテーマにしたゲーム「Wii Fit」である(Tech-On!関連記事)。国内では2007年12月1日に,希望小売価格8800円で発売する。Wii Fitには「バランスWiiボード」と呼ぶコントローラが付属する。ボードに載せられた物体の重さや重心位置を検出することで,ボードに載ったユーザーの動きを捉える。これによりフラフープ,スキー・ジャンプ,ヘディングといったゲームや,ヨガ,踏み台昇降,筋力トレーニングといったフィットネス運動を楽しめる。
もう一つの注目サービスは,Wii専用のゲームをダウンロードできるサービス「Wiiウェア」である。2008年3月よりサービスを始める。パッケージ媒体の欠点である在庫リスクや機会損失がなくなることから,小規模のソフトウエア会社でもゲーム開発への参入が容易になる。「パッケージ媒体では価格,販売量に弾力性を持たせにくい。これでは,テトリスのようなシンプルな名作ゲームが生まれないと判断した」(同社 代表取締役社長の岩田聡氏)。ダウンロードしたゲームは,内蔵フラッシュ・メモリやSDメモリーカードなどに記録する。
ソフトウエア販売金額でソニー,Microsoftを圧倒
同カンファレンスで登壇した岩田氏は,WiiやニンテンドーDSが新たなゲーム人口を開拓したことを統計データで示してみせた。2007年1月~9月には,ニンテンドーDS向けのソフトウエア販売金額シェアが約50%に達し,他社を圧倒した。2006年末に発売したWiiも,既に約17%のシェアを得ている。
それでも岩田氏は,この結果に慢心する様子を見せない。「このブームは一過性ではないか,という批判は承知している」(岩田氏)として,継続的にゲーム人口を増やすための複数の施策を打つと表明した。その一つが,ネット接続率の向上策である。現時点では,Wii購入者のうちWiiをインターネットに接続している割合は40%ほど。任天堂は接続率を増やしてユーザーの満足度を高めるため,NTT東日本・西日本と協力して,Wiiのネット接続をサポートするコールセンターを開設する。このコールセンターを通じて,新規回線の手配,必要な機器の提供とセットアップを代行するサービスを提供するという。