【CEATECプレビュー】村田製作所とセイコーエプソン,非接触の急速充電システムを共同開発へ
村田製作所とセイコーエプソンは,非接触の急速充電システムを共同開発することを明らかにした。セイコーエプソンの非接触充電技術と,村田製作所の急速充電可能なLiイオン2次電池技術を組み合わせる。携帯電話機などへの搭載に向け,2008年にサンプル出荷を,2009年〜2010年に量産出荷することを目指す。両社は非接触充電の試作システムを,2007年10月2〜6日に開催される「CEATEC JAPAN 2007」において展示する予定。
効率は70%
両社で共同開発するのは,電磁誘導を使った非接触充電システム。充電台と携帯機器の両方がコイルを備え,電磁誘導によって給電する。主に充電台側(送電側,あるいは一次側)をセイコーエプソンが,機器側(受電側,あるいは二次側)とLiイオン2次電池を村田製作所が担当する。目標としているのは,携帯電話機を10分〜15分程度で非接触で充電することである。このため,給電時には3Aを超える大電流を供給するという。それでも「2次電池や携帯機器は発熱しない。安全な電池にできる」(村田製作所)と主張する。
基本となる非接触の送電システムは,セイコーエプソンの「AirTrans」技術をベースにしている。同社のAirTrans技術は,携帯機器に向けた非接触充電システムで,異物検知やID認証,コイルなどの技術を包含する。一方で村田製作所が急速充電対応の2次電池,モジュール設計,電源設計,磁界遮蔽の技術開発などを手がける。
急速充電可能なLiイオン2次電池としては,村田製作所がエナックスなどと共同開発を進めているものを利用する(Tech-On!の関連記事)。正極材料にLiMn2O4(マンガン酸リチウム)を利用したラミネート型Liイオン2次電池になるもよう。2次電池の開発には,村田製作所の積層セラミックコンデンサに用いる量産技術などが適用されるとしている。
電力伝送の効率に関しては,70%程度まで高めることを目指している。「従来のシステムの効率は,平均で30%程度で,50%がやっとだった」(セイコーエプソン)。なおセイコーエプソンは,今回の村田製作所との共同開発案件とは別に,非接触充電システムを開発している。出力が2.5Wクラスの製品を,2008年5月にも量産出荷する方針を明らかにした。
発表会場では,試作品の充電の実演も示した。試作品は箱型で,電流容量が約800mAhのLiイオン2次電池と,非接触充電システムを組み込んでいる。試作品を充電台におくだけで,即座に充電が始まるようすを示した。充電時には3Aと大きな電流を用いており,わずか15分ほどで満充電となることを実演した。試作品では,送電コイルと受電コイルの間の伝送効率は95%以上を確保しており,コイル部分の発熱はほとんど無いとしている。ただし電源回路の一部で若干温度が上昇するため,今後この点を改善する必要があるとしている。




















