米ZPower,Inc.はIDF Fall 2007の展示会場で,開発中の銀亜鉛2次電池を出展した。単セル当たりの出力電圧は1.4V~1.6Vで,体積当たりのエネルギー密度は500W/Lを超えるという(Tech-On!の関連記事)。既に,あるノート・パソコンのメーカーと納入契約を結んだとするが,メーカー名や搭載予定時期などは明らかにしていない。
ZPower社の電池は,正極に銀を,負極に亜鉛を中心とする複合ポリマ材料を用いる。展示会場では,ノート・パソコンの電池パックに向け,セルを6個直列接続して利用する試作品や,セルを3個直列接続して出力電圧を4.5V程度まで高め,携帯電話機のLiイオン2次電池の代わりに利用する例を示した。
このほか,MP3プレーヤーを単セルで駆動させる実演も見せた。MP3プレーヤーで利用した電池は,容量が1.4Ahで,1回の充電で35時間駆動できるという。充放電サイクル特性に関しては,「放電深度を100%程度までとった場合には200回程度,30%~40%程度では500回程度確保する」(ZPower社)としている。
ZPower社の電池は体積当たりのエネルギー密度はLiイオン2次電池に比肩するものの,重さ当たりのエネルギー密度が低い。同社は,形状の小型化を優先するような用途に向ける考えである。