富士フイルムはデジタル・カメラの生産を中国・蘇州の拠点に集約する。これまでも同社は製造コスト削減を目的に中国への生産移管を進めており,現在は8割を中国工場で生産している。上位機種を中心に残りの2割を生産してきた富士フイルムフォトニックス(宮城県黒川郡)を2008年8月に解散し,今後は全量を中国で生産する方針だ。

 さらに,CCDの前工程を東芝に生産委託することで2007年8月中旬,基本合意に達した。これに伴ってCCD前工程を担ってきた宮城県仙台市泉区の土地・建物は村田製作所に売却する。

 富士フイルムは国内でデジタル・カメラに関わる機能を宮城県黒川郡の拠点に集約する考え。これまでデジタル・カメラの研究開発や品質保証は電子映像商品開発センター(埼玉県朝霞市)が担ってきたが,これを電子デバイス研究所(宮城県黒川郡)に移管する。アフター・サービスやCCD製造の後工程などは新設する100%子会社「富士フイルムデジタルテクノ」に集約する考えで,この子会社も宮城県黒川郡に設立予定だ。拠点を統合することで固定費の削減を狙う。解散する富士フイルムフォトニックスの従業員700人のうち,デジタルテクノで再雇用を予定しているのは200人程度という。

 富士フイルムは2007年度(2007年4月~2008年3月)のデジタル・カメラ販売台数を当初予測の780万台から上方修正して800万台(前年度比21.2%増)と見込んでおり,「デジタル・カメラ事業を縮小する計画はない」(富士フイルム 広報)とする。

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