ペン・タブレット(電子ペンを使った入力装置)大手のワコムは,同社が保有する特許を侵害されたとして,中国Hanwang Technology Co., Ltd.を提訴していたことを明らかにした。

 ワコムは2006年11月と同12月,同社特許を侵害していると思われる製品が販売された中国と米国でそれぞれ訴訟を提起した。提訴後は予備審理などを通じて同社の主張をHanwang社に伝えたが,Hanwang社が争う構えを見せ,訴訟の本格化が予想されたため,2007年9月11日,訴訟の経緯を東京証券取引所に開示した。

 これによると,Hanwang社はペン・タブレットを中国で製造,中国と米国で販売しており,その製品がコードと電池を排した電子ペンに関するワコムの特許を複数,侵害しているという。加えてHanwang社は米国において,電子ペン技術に関して実際には取得していない特許を取得したとうたっているとワコムは主張する。ワコムはこれらの特許侵害製品の製造・販売および虚偽表示の差し止めと損害賠償を求め,係争に踏み切った。

 これに対してHanwang社はワコムの中国特許の無効審判を請求するなど,徹底抗戦の姿勢を見せている。今後は中国においては2007年内に本審理が開かれる予定。米国では2008年2月に証拠開示手続きが終わり,同5月に審理が始まる予定だ。

 ワコムは1990年代にもペン・タブレットに関する特許侵害係争を提起している。このときは米Lockeed Corp.の子会社である米CalComp Inc.を提訴。ワコムが勝訴してCalComp社はペン・タブレット市場からの撤退を余儀なくされている。

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