米iSuppli Corp.は,半導体メーカーの本社が数多く立ち並ぶ米国カリフォルニア州のシリコンバレー地域について,不振の米Intel Corp.を除けば業界平均よりも好調に売り上げを伸ばしているとの調査結果を発表した。

 iSuppli社の調査によれば,シリコンバレー在籍の半導体メーカー56社の売上高は2006年に682億米ドルと,前年から5.8%の成長を遂げた。半導体業界全体の売り上げに占める割合は前年の27.1%に対して26.1%となっている。この数字からはシリコンバレーがほかの地域よりも業績低調のように見えるが,これは業界第1位の米Intel Corp.が11%の減収となったことの影響が大きい。Intel社を除いた55社の売上高は前年比26.4%増の367億米ドルで,半導体業界全体の成長率9.6%を大きく上回った。


シリコンバレー在籍の半導体メーカー,2006年の上位10社(SVランクはシリコンバレー内の順位,WWランクは半導体業界全体の順位)

 iSuppli社は,シリコンバレーの半導体メーカーの強みは多様性にあると説明する。パソコンやデジタル家電,通信機器,産業機器といった多様な市場に向けた事業を展開していることが企業の安定成長を助けているとの見方だ。また,同地域はエネルギー分野やライフ・サイエンス分野など電子機器以外のメーカーも多数存在しており,優れた人材が集まりやすい環境にあるという。この多様性が,世界第2の半導体産業都市である台湾Hsinchu(新竹)地区にはない特徴とiSuppli社は指摘する。

 シリコンバレーの半導体メーカーの多くが既に韓国や台湾,日本,あるいは米国のほかの地域に生産拠点を移しているが,先端技術の開発や試作は今なおシリコンバレーで行う企業が多い。「シリコンバレーに,いまやシリコンは少なくなったが,それでも半導体産業の中心であり続けることは間違いない」とiSuppli社はみている。

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