携帯型プレーヤは2009年,動画再生機能付きが主流になる。米In-Stat社がこんな市場予測を発表した。同社は,音楽や動画の携帯型プレーヤについて,動画再生機能を備えるPMP(portable multimedia player)が音声再生専用の携帯型音楽プレーヤを2009年に販売台数で上回ると予測している。

 In-Stat社の調査によれば,PMPと携帯型音楽プレーヤの世界出荷の合計は,2006年に前年同期比42%増の1億8200万台に達した。今後も市場は成長を続け,2011年には2億7500万台にまで拡大する見通しだ。このうち特にPMPの成長が著しいとIn-Stat社はみる。

 ただし,これは消費者の意向が主導する現象ではないという。In-Stat社の調査では,2408人のアンケート回答者のうち,こうした携帯型プレーヤを所有しているのは52%で,その購入目的の大半が音楽再生機能だったという。動画再生機能が購入の決め手になったと答えたのはアンケート回答者のわずか11%にとどまった。携帯型プレーヤ所有者の半数に遠く及ばず,消費者側では動画再生機能そのものに対する需要は盛り上がっていないことがわかる。

 それでもPMPの市場が拡大するのは,PMPの製造コストが下がるからだ。In-Stat社によれば,動画再生機能を携帯型プレーヤに盛り込むコストは下がり続けているという。PMPの販売単価が下がって価格対性能比が向上すれば需要の喚起につながり,市場が拡大するというのがIn-Stat社の予測だ。同社はPMPの出荷台数が2008年末までに携帯型音楽プレーヤを追い越すとみている。

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