三洋電機は2007年8月23日,同社製の「古い」扇風機に関して,消費者にあらためて使用中止を呼び掛けていくと発表した。同社製扇風機「EF-6EZ」(1970年に製造)の火災事故で2人が死亡したことによる措置。同月25日付の新聞(朝刊)に社告を掲載するほか,同社のWebサイトでも呼び掛ける。

 上記の火災事故は,同月20日に東京都足立区で発生した。同社は,同日に事故を確認,同月23日には扇風機からの発火であることを確認したという。同社によれば,長期間使用された扇風機では,モータやコード,コンデンサなどが劣化し,発煙・発火に至る危険性がある。今回使用中止を呼び掛ける対象は,30年以上前に製造した扇風機。同社は従来も呼び掛けを行ってきたが,今回の火災・死亡事故を受けて従来の呼び掛けが不十分だったと判断,再度社告による呼び掛けを実施する(従来のWebサイト上での呼び掛け)。

 三洋電機では当時,新日本電気(後の日本電気ホームエレクトロニクス,現在は解散)ブランドの製品のすべてと,ゼネラル(現在の富士通ゼネラル)ブランドの製品の一部も製造しており,これらの扇風機に関しても自社製品と同じように消費者からの相談に応じるという。

 改正消費生活用製品安全法(2007年5月14日に施行)に基づき経済産業省が公表した「重大製品事故」の一覧によれば,扇風機の重大製品事故は7件起きており,そのすべてが火災事故である(改正消安法施行日から同年8月23日までの公表分,ただしこの7件の中に冒頭の事故は含まれていない)。そのうち2件が「製品起因が疑われる重大製品事故」で,いずれも三洋電機製の扇風機である。その型番は,一つが冒頭の事故と同じ「EF-6EZ」,もう一つが「EF-6NZ」(EF-6EZとほぼ同じ時期に製造)だった。この2件の事故による死傷者はいない。

連絡先: 扇風機相談室
電話: 0120-34-0979
受付時間:2007年9月30日までは9:00~19:00(毎日),同年10月1日からは9:00~19:00(土日祝は休み)