2007年8月20日~22日に米サンノゼ市で開催された検索エンジン関連のイベント「Search Engine Strategies San Jose」の基調講演で,米Google Inc., Vice President, Search Products & User ExperienceのMarissa Mayer氏は,米Apple Inc.が「iPhone」を発売した2007年夏以降,Googleが提供する携帯電話機向け検索などのオンライン・サービスの利用が増加していると指摘した。

 「夏になってユーザーが休暇に入ると私たちが扱う通信トラフィックは下がる傾向がありました。今年の夏にも同じ現象が起きたのですが,驚いたのは同時に携帯電話機からのトラフィックが大きく増えたことです。ユーザーはパソコンの電源を落として,携帯電話機に切り替えたのではないかと思えるほどでした。とくにiPhoneの発売以降は,トラフィックに大きな変化がありました」(Mayer氏)。iPhoneの発売日は2007年6月29日である。  

 検索と携帯電話機を組み合わせた地域向けビジネスの今後の可能性を強調するため,Mayer氏は舞台上でiPhoneと同社の音声入力技術を利用したビジネス情報検索サービス「Google Voice Local Search」のデモを行った。これは2007年4月から開始した試験的なサービスで,今のところ米国に限定されている。同サービスでは,まずユーザーはケータイで無料の電話番号に電話を掛ける。繋がったら,ユーザーは希望の店舗の情報を音声で検索することができる。見つかった店舗情報が,SMS(short message service)メッセージとしてユーザーの携帯電話機に転送される機能もある。Mayer氏は,iPhoneに届いたSMSメッセージの中のリンクをクリックすると,iPhoneに搭載された「Google Maps」が起動し,店の地図情報などを表示するというデモを見せた。「iPhoneの『つまんで伸ばす(pinch and stretch)』インターフェースなら,Google Mapsは簡単に操作できますから」(Mayer氏)。

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