米Rambus, Inc.は,欧州委員会から競争法違反に関する異議告知書(Statement of Objections)を受け取った。Rambus社が米国時間の2007年8月22日に明らかにしたもの(発表資料)。Rambus社によれば今回の異議告知書は,同社が2000年1月からDRAMメーカー数社と争ってきた一連の特許侵害裁判に続くものという。

 Rambus社は1992年から1995年にかけて,電子部品の標準化団体であるJEDECに,シンクロナスDRAM(SDRAM)の業界標準の策定のために招かれ参画していた。Rambus社の提案でSDRAM標準にいくつかの技術が採用されたが,その際,Rambus社は提案する技術が同社の特許技術であることをJEDEC側に伝えていなかった。そのため,策定した業界標準に基づいて他社がSDRAMを製造した場合,その企業は期せずしてRambus社の特許を侵害する結果となった。実際にRambus社は2000年以降,日立製作所を皮切りにDRAMメーカー数社を提訴,ライセンス契約を前提とした和解に持ち込んでいる(この件に関する日経エレクトロニクスの記者ブログ)。

 一方で,米連邦取引委員会(Federal Trade Commission:FTC)は,Rambus社を競争法違反と裁定し(Tech-On!関連記事),同社のロイヤルティに制限を設けるなどの措置を採っている。今回の欧州委員会の動きもこれに続くものとみられ,Rambus社は今後,告知書を検討して対応するとしている。

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