松下電器産業は2007年8月21日,美容製品「ナノケア」シリーズのヘア・ドライヤー2種を発売することを発表した。同社は2005年に発売したヘア・ドライヤーから,pH5.5程度の弱酸性で直径約18nmの帯電水微粒子「nanoe(ナノイー)」を発生する機能を搭載していた(Tech-On!関連記事)。今回発売する製品では,nanoeを発生する際に使う電極の構造を従来の球形から紡錘形へと変更したことで噴霧量を約20%向上したという。
nanoeの発生には,まず冷却効果を持つペルチェ素子に電圧を印加して,大気中の水蒸気を冷却して水滴とする。その水滴に約3.5kVの電圧を印加することで静電霧化現象が生じる。この現象で生成した水滴は帯電しており,表面張力を超えるエネルギー状態となる。このため,水滴はレイリー分裂と呼ぶ現象により分裂を繰り返し,18nm程度の大きさの帯電水微粒子となる。
価格はオープン価格であるが,2007年9月1日に発売するヘア・ドライヤー「EH5442」が2万円前後,2007年11月1日に発売する巻き髪を作るためのヘア・ドライヤー「EH8522」が1万7000円前後となる。
同社はこのほかに,スチーム式美顔器「EH2473」を2007年10月1日から発売することを同時に発表した。価格はオープン価格だが,3万5000円前後と推定する。2007年度の販売目標は,ヘア・ドライヤー2種で50万台,スチーム式美顔器で40万台である。