液晶テレビのブランド別出荷台数シェア
液晶テレビのブランド別出荷台数シェア
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 米DisplaySearch社は,2007年第2四半期の北米のテレビ市場調査の結果を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年同期比5%の減少,出荷金額は前年同期と同水準だった。技術別に見ると,液晶テレビを除くすべての製品は低迷したが,液晶テレビは出荷台数,出荷金額ともに増加した。ブランド別の出荷台数シェアでは,米VIZIO,Inc.が液晶テレビと薄型テレビの区分で首位に躍り出た。

 液晶テレビ市場のブランド別出荷台数シェアを見ると,首位はVIZIO社で12.1%。第1四半期の4位から大幅に順位を上げた。同社は,2003年半ばにテレビ市場に参入したが,今回初めて首位を獲得したという。出荷台数は対前年同期比で433%増加した。2位は直前期の首位から後退した韓国Samsung Electronics Co., Ltd.。3位は直前期と同じくシャープ。シェアはそれぞれ10.7%と9.1%である。4位は6位から順位を上げた船井電機で,シェアは7.8%。5位は11位から大きく躍進した米Polaroid Corp.で,シェアは7.5%。Polaroid社の躍進は小売大手の米Wal-Mart Stores, Inc.に販路を広げたことが影響したという。

 薄型テレビ(液晶テレビおよびPDPテレビ)市場のブランド別出荷台数シェアを見ると,首位はVIZIO社。同社はこの市場でも,Samsung Electronics社を抜いて首位となった。シェアは対直前期比3.1ポイント増の11.9%。PDPテレビ市場の出荷台数シェアで,5位から4位に順位を上げたことが貢献した。出荷台数は,前年同期から340%増加している。2位はSamsung Electronics社で,シェアは11.3%。3位はシャープで,7.9%のシェアとなった。

 DisplaySearch社によれば,VIZIO社の急成長の要因となったのは,会員制の大型量販店に的を絞ることなどで,価格破壊を可能にしたことだという。このため出荷台数は急増し,会員制大型量販店の販路などを急速に拡大させた。加えて,「Circuit City」や「Sears」,「Wal-Mart Stores」といった会員制大型量販店以外でも,魅力的な価格を維持することで販売を拡大させたとする。

 画素型リアプロ・テレビの市場では,Samsung Electronics社の出荷台数が10四半期連続してソニーを下回っていたものの,2007年第2四半期にはソニーを上回り,首位に立った。シェアは対直前期比11ポイント増の37.7%。2位に後退したソニーの出荷台数シェアは26.6%だった。「3LCD」や「SXRD」製品の出荷が前年同期からも,直前期からも減少したことが響いたという。

 テレビ市場全体のブランド別出荷台数シェアは,首位がSamsung Electronics社,2位が船井電機,3位がVIZIO社となった。シェアはそれぞれ,11.3%,9.4%,9.2%である。CRTテレビの不振により,前年同期より出荷台数を伸ばしたのは,VIZIO社とシャープのみとなった。VIZIO社は,この区分でも前年同期から340%,出荷台数を増加させている。

【タイトル変更】掲載当初のタイトルは「北米テレビ市場で米VIZIO社が躍進,米DisplaySearch社が調査」でしたが変更しました。

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薄型テレビ(液晶テレビおよびPDPテレビ)のブランド別出荷台数シェア
薄型テレビ(液晶テレビおよびPDPテレビ)のブランド別出荷台数シェア
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テレビ市場全体のブランド別出荷台数シェア
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