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 三菱重工業は,同社の出資比率が96%であるインドの現地法人Mitsubishi Heavy Industries India Precision Tools(MHI-IPT)社で建設を進めてきた新工場が完成し,2007年8月10日に竣工式を行うと発表した。MHI-IPT社は,三菱重工業工作機械事業部の海外生産拠点という位置付けで,歯車切削用工具の生産を手掛ける。新工場は,急激な成長を遂げるインドの自動車関連産業からの旺盛な需要に応えるためのもので,同工場の完成により,MHI-IPT社の生産能力は一気に現状の2倍となる。設備投資額は約11億円。

 MHI-PT社は,インド南部のタミル・ナドゥ州の州都チェンナイ(旧マドラス)近郊のラニペット市に本社を構える。歯車切削用のホブカッタをはじめ,ピニオンカッタ,シェービングカッタ,ブローチカッタなどの歯車切削用精密工具を生産する。

 新工場は,床面積7000m2の既設工場に隣接したエリアに建設したもので,床面積は3500m2。NC(数値制御)マシンを中心にした最新設備を導入し,生産能力の倍増を図った。新たに設置した機械設備は80台超。人員もこれまでの約400人から590人に増員し,2008年度の受注額は2006年度比で2倍を目指す。

 三菱重工業によれば,順調な経済発展を続けるインドでは,2輪/4輪車両の需要も急伸。2003年に初めて100万台を突破した自動車生産台数は,2006年度には200万台を超え,3年後の2010年には400万台超に達すると予想されているという。これに伴い,歯車工作機械や歯車切削工具の需要も急拡大しており,こうした市場で高いシェアを確保するためには,生産設備の早期増強が必要だったとしている。

 MHI-IPT社のインドにおける歯車切削工具のシェアは2006年度実績で40%。同社は新工場の完成により,このシェアを2008年度には50%まで引き上げたいとしている。

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