パイオニア,コントラスト2万:1パネルを全面採用したプラズマ・テレビ4機種を発表
パイオニアは,コントラスト2万:1パネルを全面採用したプラズマ・テレビ4機種を発表した(ニュース・リリース)。60型と50型のフルHD(high definition)モデル(1920×1080画素)と,50型と42型のWXGA(1365×768画素)モデルである。コントラストの高さによって表現できる黒色から,「KURO」という新ブランド名も採用した。
同社のコントラスト2万:1のプラズマ・パネルは,2006年10月の「CEATEC JAPAN 2006」で展示した(Tech−On!関連記事1)。また,2007年1月の「2007 International CES」でもテレビの試作品を展示し(Tech−On!関連記事2),2007年夏前の製品化を目指していた。WXGAモデルは欧米で7月から市場投入し,日本ではフルHDモデルを2007年10月上旬,WXGAモデルを9月上旬に発売する。
種火を小さくし黒輝度を1/5に低減
新パネルは,発光セルの背面側のアドレス電極上部に新たに電子発生源を設けた。これにより,セル内の放電速度を向上でき,“種火”と呼ばれる予備放電を小さくすることができた。従来パネルから採用してきた前面パネル側の「高純度クリスタル層」による高効率プラズマ放電と相まって,黒を表現する際の輝度を従来の1/5に低下させることで,2万:1のコントラストを安定して実現できた。
これにより,色純度も向上した。従来パネルでは,全面で常にRGBの各セルが発光していたため,赤色だけを光らせたい場合も青や緑のセルが光って色が濁っていた。新パネルでは赤色のセルだけが発光するため,色純度が高い。NTSC比で107%を実現したとする。また,内部での画像の多重反射を防ぐ「ダイレクトカラーフィルター」も性能を向上し,外光反射や映り込みも低減した。一般に明るい環境が苦手なプラズマ・テレビだが,明るいリビングでの使用に十分なコントラストを実現している。
「すべてのプラントにこの技術を適用できるように,装置の改修を終えた」(同社ホームエンターテインメントビジネスグループ事業企画部PDP企画部長の塩田克延氏)とし,今後の同社のプラズマ・パネルの基本仕様となる。
環境の明るさや映像ソースから最適画質に調整
画像処理回路も一新した。I/P(インターレース/プログレッシブ)変換回路,MPEG圧縮に伴うブロック・ノイズやモスキート・ノイズ,SD(standard definition)からHDへのアップ・コンバート時のチラつきなどを低減するノイズ・リダクション・システムを開発した。また映画素材の24コマ/分の映像を補間して60フレーム/秒に変換する「フィルム・スムース」機能も搭載した。また,周囲の明るさをパネル下部に取り付けた照度センサーで検出するとともに,映像ソースが映画かスポーツ系かライブ系か紀行系かなどを判別して,最適な画質に自動的に変更する「リビングモード」を搭載した。環境や場面の変化に対して20秒から1分程度時間をかけて徐々に画質を変化させるため,違和感なく最適な画質が得られるようになるとする。
テレビの存在を意識させないデザイン
今回のモデルは,画面の黒色の特徴を強調するように,きょう体も黒色光沢仕上げとした。前面額縁から電源スイッチやリモコン受光部,ロゴ・マークなどの切り欠きを極力なくしている。映画のような横長の映像ソースでは,映像の上下のマスク部と額縁が一体になるようなデザインとし,テレビの存在感を前面に出さないように工夫している。
AV機器専業メーカーとしてのシステム化
同社は今回,家電としてのテレビではなく,AV(オーディオ・ビジュアル)システムの一つとしてプラズマ・テレビを位置付けた。画質にこだわったパネルや回路のほか,テレビ単体でシアター並みの高音質を実現する内蔵スピーカ,また24コマ/分で撮影された映画ソースをそのまま記録したBlu-rayディスクを24コマ/分で忠実に再生できるBlu-ray Discプレーヤ,さらに水平方向だけでなく天井方向にもスピーカを配置して立体的な音場を実現したシアター・システムなど併せて発表した。逆に,発表会および各機能の視聴会の会場でも言及しなかったが,低消費電力化も一層進めている。













