市場調査やコンサルティングを手掛ける矢野経済研究所は,自動車用Liイオン2次電池の市場規模が2015年には1000億円を突破するとの予測を示した。予測は,2007年5月~7月に実施した2次電池関連メーカーへの取材を中心とした調査に基づくものという。

 矢野経は,Liイオン2次電池を搭載する市販ハイブリッド車(HEV)が2010年前後に登場するとみている。安全性の確保という技術的課題はあるものの,現在使われているニッケル水素(Ni-MH)電池に比べて小型軽量で高容量,高出力であることから,徐々に置き換わっていくものと予測する。HEVは環境保全に向けた各種規制の導入を背景に市場の拡大が見込まれており,Liイオン2次電池市場に占める自動車用途の割合も2015年で15%,2020年には30~40%と急拡大する見通しだ。

 一方で,Ni-MH電池は2011年ころから自動車用の市場をLiイオン2次電池に奪われてはいく。ただし,完全に駆逐されることはないと矢野経は予測する。過去10年にわたってHEVでの採用実績があり,大きな事故もなかったため,安全性の点で市場の信頼が厚いからという。

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