ニコンは,2007年度第1四半期(2007年4~6月)の決算を発表した(PDFの発表資料)。売上高は対前年同期比29.4%増の2235億4300万円,営業利益は同49.3%の361億3200万円,純利益は同59.0%増の234億4600万円で,大幅な増収増益を達成した。

 主力の映像事業は最も成長した部門で,売上高は対前年同期比47.2%増の1453億円,営業利益は同112.8%増の266億円だった。デジタル一眼レフ・カメラの販売はすべての機種で好調だった。デジタル・コンパクト・カメラも「COOLPIX P5000」など,2007年春に市場に投入した機種の販売が大きく伸び,売上高,利益とも好調に推移した。米ドルおよびユーロに対する円安効果も,増収増益に貢献したという。デジタル一眼レフ・カメラの販売台数は前年同期の2倍以上で,対前年同期比111.1%増の76万台。交換レンズは同192.1%増の111万本を販売した。デジタル・コンパクト・カメラの販売台数は同21.6%増の203万台だった。

 精機事業は,売上高が対前年同期比4.8%増の612億円,営業利益が同21.9%減の82億円だった。半導体製造向け露光装置と液晶パネル製造向け露光装置の販売は予定通りの推移だったが,液晶パネル・メーカーの投資抑制の影響を受けた。半導体製造向け露光装置の販売台数は,前年同期の30台を上回る36台。液晶パネル製造向け露光装置の販売台数は前年同期を大きく割り込み,12台にとどまった。液晶パネル製造向け露光装置の基板サイズは,中・小型が5台で,5~6世代向けの4台および7~8世代向けの3台を上回った。

 顕微鏡や測定機などを扱うインストルメンツ事業の売上高は対前年同期比9.7%増の124億円。営業利益は,前年同期の1億円の赤字から1億円の黒字に回復した。バイオサイエンス事業,産業機器事業の両事業とも,ほぼ予定通りに推移したという。

 ニコンは2007年度4~9月期および通期の業績予想を上方修正した。2007年度4~9月期については,売上高を250億円上乗せして4350億円,営業利益を150億円上乗せして570億円,純利益を100億円上乗せして310億円とした。通期については,売上高を300億円引き上げ9300億円に,営業利益を140億円引き上げ1140億円に,当期純利益を70億円引き上げ620億円に変更している。同社は修正の理由として,映像事業におけるデジタル一眼レフ・カメラや交換レンズ,コンパクト・デジタル・カメラの新機種の好調な販売や円安の影響を挙げている。ただし,2007年度下半期のデジタル・カメラ市場の競争は激化する見込みと説明した。

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