記者会見の様子
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 NECエレクトロニクスが発表した2007年度第1四半期(4~6月)の連結決算では,同社が業績回復に向けて着実に歩を進めている姿が明らかになった。売上高は対前年度同期比で5%増,対直前四半期(2007年1~3月)比で1.3%増の約1736億円だった。損益面では,依然として22億円の営業損失を計上しているものの,約58億円の営業損失を記録した前年度同期に比べて約36億円,収支が改善した。178億円もの営業損失に陥っていた直前四半期よりも,損失幅は156億円少なくなった。

 同社の売上高全体の大半を占める半導体事業については,売上高が約1650億円と,対前年度同期比で4%増えた。増収を牽引したのは,ゲーム機用LSI,携帯電話機用コンパニオンLSI,自動車向けマイコン,フラッシュ・マイコン,大型液晶ドライバIC,ディスクリート・化合物半導体などの売上増という。半面,携帯電話機用メモリ,デジタル・カメラ用LSI,小型液晶ドライバICなどの売上高は対前年度同期比で減少したとする。

 NECエレクトロニクスが今回計上した22億円の営業損失は,開発費などがかさむSoC(system on chip)製品の不振が主な原因である。同社のマイコン事業や個別半導体事業は営業黒字を確保しているという。

 2007年度第2四半期(7~9月)は,業績がさらに回復しそうだ。同社の月別の受注高は「2007年2月以降,これまで一本調子で増大し続けている。2007年度第2四半期は営業黒字を達成したい」(同社)と意気込む。2007年度第2四半期の同社の半導体売上高は,対直前四半期比で数%増大する見込みという。増収を引っ張るのは,デジタル家電向けLSI「EMMA」,プリンター向けLSI,車載マイコン,汎用マイコン,大型液晶ドライバIC,ディスクリートなどの売上高増大とする。

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