ドイツQimonda AGは,2007年度第3四半期(2007年4~6月)の業績を発表した(発表資料日本語)。売上高は前年度同期比24%減の7億4000万ユーロ。前年度同期の純利益5400万ユーロから,今期は純損失2億1800万ユーロと赤字に転じた。しかし,2007年度第1~3四半期(2006年10月~2007年6月)の売上高は29億ユーロで前年度同期の実績を12%上回り,8200万ユーロの赤字だった前年度同期に対し1600万ユーロの純利益を確保している。

 2007年度第3四半期,パソコンの価格が前期比約60%落ち込んだことにより,標準DRAMの価格も急激に降下したという。これにより,6600万ユーロの棚卸し評価損を計上した。同社は平均売価の下落を前期比40%減にまで抑え,非パソコン用途への出荷比率をおよそ50%に維持し,ビット・ベースの出荷量を前期比28%増としたが,すべてのマイナス要因を吸収するには至らなかった。売上高の地域別内訳は北米33%,欧州16%,アジア・太平洋地域31%,日本20%。

 通常好調期となる年の後半に入った7月はある程度価格が上昇したとしているが,今後,設備投資を抑制する考え。2007年度は約9億ユーロ,2008年度は6億5000万~7億5000万ユーロとする。2007年末までに製造能力の半分以上を80または75nm世代以降のプロセスに移行するとともに,300mmウエハー比率を80%に引き上げて生産性を向上させていく。2007年度第3四半期は,米国バージニア州Richmondの300mmウエハー対応ラインの拡大や,75nm世代以降のプロセスに必要な設備の増強などに2億3600万ユーロを投資した。

 2007年度第4四半期は,自社とパートナー企業合計でビット・ベースの生産量を前期比約15~20%拡大する構え。堅調な伸びが見込める非パソコン向け出荷比率は,ビット・ベースでおよそ50%を目標とする。パソコン関連製品についても,メモリ・モジュールの大容量化により,好調なビット需要が継続すると期待している。2007年度通年のビット・ベース生産量は前年度比60~70%増,非パソコン用途へのビット・ベース出荷比率は50%以上になると予想した。

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