実演では,体重などの測定データを,左側のノート・パソコン付近に設置したゲートウエイ装置に無線で伝送した
実演では,体重などの測定データを,左側のノート・パソコン付近に設置したゲートウエイ装置に無線で伝送した
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健康チェックの画面例
健康チェックの画面例
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 日立製作所とTAG(テクノロジー・アライアンス・グループ)は,東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2007」において,無線センサー・ネットワークを利用した健康チェックのシステムを実演した。

 体重計など健診機器に無線モジュールを組み込んで,測定データを無線でゲートウエイ装置に伝送した。ゲートウエイ装置で取得したデータをネット経由で集約し,データを加工したり管理したりするASPサービスを展開していく狙い。まずは健康保険組合や,健康管理サービス事業者,フィットネスクラブなどへの採用を目指す。2007年度中にも実証実験を開始し,来年度には商用化していく考えだ。

メタボリック対策に

 会場で実演したのは「メタボリック健康チェックサービス」。体組成計や血圧計,歩数計などに無線モジュールを組み込んで,健康管理を行い,測定したデータをゲートウエイ装置に集約する用途を想定する。ゲートウエイ装置が測定したデータの管理や加工,各種健康サイトとの連携など,体調管理に関する様々なサービスをASPとして提供することを目指す。今後健康保険組合などにおいて,加入者のメタボリック対策へのニーズが高まると見ており(Tech-On!の関連記事),ゲートウエイ装置やセンサ機器などのハードウエア供給と,ASPサービスの両面でサポートするという構想である。

 無線モジュールの送受信規格には,IEEE802.15.4を用いた。また上位層のプロトコルとして,ZigBeeにも対応している。今回利用したモジュールでは,米Texas Instruments社などのICを利用しているという。

 日立製作所とTAGは,こうした健康関連サービスのみならず,セキュリティや省エネ,防災などの分野に対しても,センサー・ネットワークを使ったASPサービスとして展開していく考えだ(PDF形式の発表資料)。このための小型ゲートウエイ装置の開発や,IEEE802.15.4規格に対応する無線モジュールの開発,各サービス事業者に向けたアプリケーション開発などを手掛けていくとしている。

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