沖電気工業は,携帯電話機やPDAが搭載する撮像素子を使って虹彩(アイリス)認証を実行するミドルウエアの販売を開始した。電子決済や電子商取引における本人認証などへの展開を視野に入れる。同社は専用の撮像素子が不要の携帯機器向けアイリス認証技術を,2006年11月に開発している(Tech-On!の関連記事)。今回発売するミドルウエアは既存技術を基に,さまざまなOSで動作できるようにするなどの改編を加えたという(関連ページ)。

 本人でない人を誤って認証する確率(FAR)は1/10万で,処理時間は0.5秒以下(32ビットRISC型マイクロプロセサを220MHzで動作させた場合の計測値)。プログラム容量と作業用メモリ容量はいずれも200Kバイトである。携帯電話事業者や,携帯機器メーカー,システム・インテグレータなどに提供する。

 カメラが満たすべき条件は,虹彩を直径100ピクセル以上で撮影できること,虹彩に焦点が合うこと,撮影用の照明があること。Symbian,Windows Mobile 2003,Windows XPで動作確認済み。価格は個別見積もりで,販売目標は今後2年間で200万ライセンスとしている。

 開発品は,2007年7月18日から東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン2007」に出展する。

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