任天堂は,次世代ゲーム機「Dolphin」のグラフィックス技術について,米S3社と提携した。S3社は,テクスチャ・データを圧縮してメモリに格納し,描画時に伸長する技術をもっている。テクスチャ用メモリの容量を抑えられるうえ,テクスチャ用メモリとグラフィックスLSI間のデータ転送速度の性能以上に大容量のテクスチャ・データを扱えるというメリットがある。S3社のテクスチャ圧縮技術を採用したグラフィックスLSIをArtX社が設計し,NECが製造を請け負う。このLSIを任天堂がDolphinに組み込む。

 ソニー・コンピュータエンタテインメントが東芝以外とは提携関係を結ばずに自力で次世代ゲーム機を開発しているのに対して,任天堂は松下電器産業(DVD-ROM装置),米IBM Corp.(マイクロプロセサ),ArtX社(グラフィックスLSI)やMosys社(メモリ),それにS3社(テクスチャ圧縮技術),NEC(LSIの製造)などと提携することで,SCEのプレイステーション2に挑む。