楽天リサーチは，電子マネーに関する利用動向調査の結果を発表した（発表資料）。それによると，電子マネーの利用者は約6割。利用が最も多い年齢層である20代は7割以上が利用している。30代～50代でも過半数が利用しており，電子マネーの普及は急速に進んでいるという。利用頻度別に見ると，「週2～3日」が最も多く12.5％。次いで，「月に2～3回」の10.9％，「毎日」の10.3％となる。楽天リサーチがヘビー・ユーザーと位置付ける「毎日」および「週2～3日」の利用者が最も多い世代は，40代だった。一方，ミディアム・ユーザーと位置付ける「週1回」および「月に2～3回」の利用者と，ライト・ユーザーと位置付ける「月に1回」および「それ以下」の利用者が最も多いのは20代だった。
現在利用している電子マネーの種類を複数回答で聞いたところ，最も多かったのはJR東日本の発行する「Suica」。75.0％が利用していると答えた。2位はビットワレットの「Edy」で43.1％。3位は関東の私鉄・バスで使える「PASMO」の27.1％だった。4位以降は利用者が6％以下に大きく減少することから，多くの利用者はこの3種類の電子マネーを使っていると言える。さらに，中心的に利用している電子マネーを聞いたところ，Suicaが56.3％と突出して多い結果となった。次いで22.3％のEdy，16.3％のPASMOである。年代別に見ると，Suicaはすべての年齢層で中心的に利用する電子マネーとなっているが，Edyは20代～40代，PASMOは50代および60代で比較的利用が多かった。
電子マネーの1ヶ月当たりの支払額で最も多いのは，「1000円未満」で25.9％。2位は「2000～2999円」の14.2％，3位は「1000～1999円」の13.9％である。3000円未満の利用者が54.0％と過半数を占めた。ただし，ヘビー・ユーザーにおいては「1万～1万9999円」という回答が24.1％と最も多く，「2万円以上」の利用者も1割強存在するという結果となった。
電子マネーを使う理由を複数回答で聞いたところ，圧倒的に多い回答は「支払いが簡単だから」で，78.0％の回答者が答えた。以下，「ポイントがつくから」の25.6％，「お金を持ち歩かないですむから」の23.2％，「定期券やクレジットカードに電子マネー機能がついていて便利だから」の18.4％と続く。電子マネー・サービスを選ぶ際に重視するポイントについては，「利用時にポイントがつく」が最多の48.0％。続いて，「チャージできる場所の多さ」の45.8％，「使える店の数が多い」の44.9％となった。ただ年代別に見ると，60代の回答に「信頼できる会社が発行している」（31.0％）や「残高確認や購入履歴が確認できる」（28.7％）など安全性や信頼性に関する項目が目立ち，他の年齢層より気にかけている傾向が見られるという。
非接触型ICチップ「FeliCa」の機能を内蔵した携帯電話機向け決済サービス「おサイフケータイ」の利用に関しては，利用者が22.3％にとどまった。他の電子マネー・サービスに比べると，普及が遅れている実態がうかがえる。利用者を年代別に見ると，最も利用が多いのは30代の27.5％。続いて，40代の25.6％，20代の22.8％という結果となった。また，他の電子マネーの利用頻度が高いほど，おサイフケータイの利用が高いという傾向も見られる。電子マネーのヘビー・ユーザーにおけるおサイフケータイの利用率は32.9％で，全体に対する利用率よりも高い。電子マネーのミディアム・ユーザーのおサイフケータイ利用率が22.0％，ライト・ユーザーの利用率が7.1％だった。おサイフケータイ利用者が利用する通信事業者を見ると，NTTドコモが最も多い64.6％を占めた。2位は24.6の％au(KDDI），3位が10.8％のソフトバンクとなっている。
なお，この調査は2007年5月16日に，東京都，神奈川県，千葉県，埼玉県に住む20～60代の男女1000人を対象としてインターネットで調査した。
