東北大学多元物質科学研究所の加納純也講師と齋藤文良教授らの研究グループは,廃棄物のインジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)を非加熱で還元して金属インジウムを直接回収する方法を開発した。粉砕操作よるメカノケミカル反応を利用して,金属インジウムを簡便に回収できる。

 具体的には,酸化インジウム(In2O3)と窒化リチウム(Li3N)をアンモニア雰囲気でボールミルを用いて粉砕処理することで金属インジウムへ還元する。この還元金属の粉末に蒸留水を加えボールミルで粉砕処理すると,副生成物が取り除かれて高純度のインジウムペレットが得られる。
 
 本詳細は,2007年9月に開催される化学工学会第39回秋季大会(北海道大学)にて発表予定。金属の回収方法という発明で特許出願済みである。

 インジウムは液晶テレビや携帯電話機のディスプレイなどの透明導電膜として使用されている。近年,その需要がますます高くなり,価格も高騰。希少金属であり枯渇も懸念されている。