伊仏合弁STMicroelectronics社は,32ビットのフラッシュ内蔵マイコンの新ファミリ「STM32」を発表した。CPUコアとして,英ARM Ltd.のマイコン向けCPUコア「Cortex-M3」を搭載する。Cortex-M3はARM社が汎用マイコン市場を狙って2004年10月に投入したCPUコアである。これまでにライセンシーは9社あるものの,大手半導体メーカーで同CPUコアを搭載したLSIを発表するのは,STMicroelectronics社が初めてという。STMicroelectronics社は2006年10月にCortex-M3のライセンスを取得しており,今回それが製品として登場した形だ。  ARM社のCortexファミリは,「ARM9」や「ARM11」といった従来のファミリの後継としてARM社が2004年10月に発表したもの。そのCortexファミリの中でも,携帯電話機のアプリケーション・プロセサ向け「Cortex-A」シリーズや,リアルタイム制御向け「Cortex-R」シリーズが,どちらかというと旧来の「ARM9」や「ARM11」の路線を引き継ぐものであるのに対し,「Cortex-M」シリーズは異色の存在である。  具体的には,Cortex-Mシリーズでは,命令セットを16ビット長命令「Thumb-2」だけに絞り込むことで,大幅にオブジェクト・コードの容量を低減したり,32ビット長のARM命令のデコーダを省きCPUコアの回路面積を縮小したり,といった改変を施してある。ASIC分野に強いARM社が,これまで手薄だった「MCU」,いわゆる汎用マイコンの市場に切り込むための製品がCortex-Mシリーズといえる。なお,ファブレスのベンチャー企業では,2004年創業のが業界で初めて「Cortex-M3」搭載のマイコンを発表している。

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