東芝は,光学ドライブを搭載した12.1型ワイド液晶のノート・パソコンで世界最軽量・最薄を謳ったノート・パソコン「dynabook SS RX1」を発表した(ニュース・リリース)。従来通りHDDを搭載した機種に加えて,フラッシュ・メモリを使った64Gバイトの半導体ディスク装置(SSD)を搭載した機種を発売する(関連記事)。質量はHDD採用機種が959g,SSD採用機種が848gである。最薄部分の厚さはいずれも19.5mmである。
電池駆動時間も12.1型ワイド液晶を搭載する1kg未満のノート・パソコンで現在最長とする。付属の2次電池を利用した場合の駆動時間は,フラッシュ・メモリ採用品で12.5時間である。価格はオープンで,実勢価格は22~40万円としている。2007年6月22日より順次発売する。
軽量・薄型・長時間駆動を実現するために施した改良は基板の高密度実装,筐体の薄肉化,アンテナの兼用など多岐に渡る。例えば,消費電力の削減にはSSDが貢献した。HDDを採用する場合に比べて,消費電力を12%削減できるとする。また,液晶パネルには12.1型ワイドの半透過型液晶パネルを採用した。LEDバックライトの消費電力は約3Wであるため,屋外で使う場合にバックライトの電源を切ればその分節電になると説明する。薄型化した筐体に記録型DVD装置を収めるため,厚さ7mmの薄型品を採用した。東芝はDVD装置の供給メーカーを明かさないが,パナソニック コミュニケーションズが厚さ7mmの装置を世界で初めて出荷したと発表しており(同装置についての記事),パナソニックの製品を採用したと見られる。
今回の製品は,CDMAなどの3GやWiMAXといった無線通信用のアンテナを内蔵する。アンテナの実装面積を抑えるため,形状などを工夫することで無線LANとWiMAX,3Gのアンテナを共通化した「マルチバンドアンテナ」を採用した。通常,合計8本必要なアンテナを5本に抑えたという。ただし,通信モジュールは現在,内蔵していない。これらの通信サービスが開始され次第,対応する内蔵モジュールを販売する予定という。モジュールは3G用とWiMAX用のいずれかを選択することになる。