自動車向け低VOCの製品群
自動車向け低VOCの製品群
[画像のクリックで拡大表示]

 住友スリーエム(本社東京)は,自動車の内装材として,揮発性有機化合物(VOC)発散量が少ない両面テープと樹脂製面ファスナを2007年7月2日に発売する。それぞれ,「アクリルフォームテープ」と「デュアルロック」のラインアップに加えるもの。いずれもVOCの発生量を,従来比で80%以上削減した。

 このうちアクリルフォームテープは,接着保持力や,厳しい温度環境下での耐久性が高いのが特徴。車内では,内装トリムやキッキング・プレートといった樹脂部品の固定に使う。一方のデュアルロックは,成形天井など内装部品の固定に向く。

 頭痛やめまいなどの原因となる化学物質に関しては,厚生労働省が室内濃度指針値を定めているほか,国土交通省が建築基準法の改正によって内装材を制限するなど,対応が進んでいる。自動車業界でも,日本自動車工業会が「車室内のVOC低減に対する自主取り組み」を制定し,2007年度以降発売の新型乗用車(国内で生産し,国内で販売する乗用車)を対象に適用を始めた。

 住友スリーエムでは,ワイヤハーネス固定用の片面テープと両面テープ,吸音材や内装材表皮の固定に使う薄手両面テープ,両面テープのプライマについて,既に低VOC製品を販売している。新製品の追加により,VOC対策の拡充を図るという。

なお,同社は新製品を含めた低VOC製品を,2007年5月23~25日に開催される「人とくるまのテクノロジー展」(パシフィコ横浜)に出展する予定。

連絡先:自動車産業システム事業部マーケティング部
電 話:03-709-8997

アクリルフォームテープのVOC発散量。左が従来製品で,右が低VOC製品を指す。
アクリルフォームテープのVOC発散量。左が従来製品で,右が低VOC製品を指す。
[画像のクリックで拡大表示]