デンソーは,2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した(発表資料)。営業利益は前年度比13.7%増の3030億6800万円で,初めて3000億円を超えた。売上高は同13.2%増の3兆6097億円,経常利益は同13.8%増の3221億2800万円だった。売上高,営業利益,経常利益のいずれも8期連続の過去最高を記録している。好調の要因として,国内外でトヨタ自動車を始めとする日本の自動車メーカーの生産が堅調だったことや,米General Motors Corp.(GM社)やドイツAdam Opel AG(Opel社)といった海外メーカーへの販売を拡大したことなどを挙げる。

 地域別セグメントで見た場合に,全地域で増収増益となったのも今期が初という。特に欧州の業績が好調で,ハンガリーやチェコの工場が軌道に乗り,営業利益は前年度の16億円から122億円へと大幅に増加した。

 一方,日本では,売上高が2兆5413億円と前年度に比べて11%増えたにも関わらず,営業利益は同3.7%増の2153億円に留まった。これは地金など原材料費の高騰により素材費が増加したことによる影響が大きいとする。市況価格では,モータの巻線などに使うCuが前年度比1.7倍,エアコンの熱交換器などに使うAlが同1.3倍になった。この結果,同社全体では,素材費の増加が経常利益400億円分の減少につながったとする。

 2007年度通期の見通しについても同時に発表した。売上高は前年度比5.3%増の3兆8000億円,営業利益は同1.6%増の3080億円,経常利益は同0.3%増の3230億円と予想する。GM社向けのカーナビなどの販売拡大がひと段落するため,売上高の伸びは鈍化すると見込んでいる。営業利益については,素材費の増加や155億円の損失が見込まれる税制改正の影響を受け,前年度に比べて49億円の増加に留まるとしている。

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