京セラの2006年度(2006年4月~2007年3月)決算は大幅な増益となった。連結売上高は前年度比9.4%増の1兆2838億9700万円,営業利益は同35.5%増の1351億200万円,純利益は同52.8%増の1065億400万円である。携帯電話機や薄型テレビ,ゲーム機の生産拡大が同社の業績に追い風となった。

 デジタル家電市場の活況を受けて,部品事業の売上高は前年度比11.9%増の6508億7700万円,事業利益は同34.6%増の1047億800万円となった。コンデンサや水晶関連部品,コネクタ,半導体製造装置向けセラミック部品,携帯電話機やデジタル・カメラ向けセラミック・パッケージなどが売り上げを伸ばした。

 機器事業も売上高が前年度比7.8%増の5316億6800万円,事業利益が同71.0%増の323億6600万円と好調だった。このうち通信機器事業は,携帯電話機の新製品の売り上げが好調で黒字に転じた。情報機器事業はプリンターやプリンター複合機が海外市場で売り上げを伸ばし,為替差益もあって増収増益を達成した。光学機器事業では,カメラ事業の縮小に伴って売り上げは減らしたが赤字幅も小さくなった。

 2007年度の業績については,売上高が前年度比3.6%増の1兆3300億円,営業利益が同11.8%増の1510億円,純利益が同3.3%減の1030億円と予測する。市況について同社は,携帯電話機やパソコン,ゲーム機,薄型テレビの生産が引き続き高水準で推移し,部品需要は好調を維持するとみている。同社は部品の生産能力を増強するため,年間の設備投資額を前年度より2割増やして860億円とする計画だ。

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