2006年度決算発表で質問に答えるシャープ副社長の佐治氏
2006年度決算発表で質問に答えるシャープ副社長の佐治氏
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 シャープは,2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した。売上高は前年比11.8%増の3兆1277億円,営業利益は同13.9%増の1865億円,経常利益は13.1%増の1705億円,当期純利益は14.7%増の1017億円で,それぞれ4年連続で過去最高を更新した。2007年度予測は,売上高は前年比8.7%増の3兆4000億円である。

大型液晶テレビが台数比1.5倍ペースで伸び


 部門別売上高では,AV・通信機器が前年比26.6%増となった。大型液晶テレビと国内の携帯電話機の売り上げ増が大きいとする。電子部品では,LSIが横バイだった。液晶パネルでは,亀山第2工場の2期ラインの稼働と,携帯電話機向けのシステム液晶の伸長が大きい。

 製品販売高では,液晶テレビが前年比49.4%増の6135億円,台数ベースでは前年比1.5倍の603万台とする。2007年度の世界のテレビ需要は上方修正して,前年比1.5倍の7200万台を見込むとする。2007年度の販売高は38.5.%増の8500億円,台数ベースで1.5倍の900万台を見込む。特に30型以上の台数比率が2006年度の55%から2007年度は80%に引き上げたいとする。液晶テレビの国内外比率は,2006年度が国内269万7000台(前年比42.3%増),海外333万6000台(同58.3%増)であった。2007年度は,国内326万台(同20.9%増),海外574万台(72.1%増)を目指す。「米国でフルHD(high definition)品がホテルに採用され始めた。ホテルの文字放送に適しており,米国や中国での販売は徐々に増えると考えている」(同社取締役副社長の佐治 寛氏)とする。

通信融合型情報端末を海外で拡大へ


 携帯電話機の販売高は前年比29.2%増の6073億円,出荷台数は1481万台で,国内シェア1位となったとする。2007年度は,ワンセグ放送対応機の拡充と薄型化を進める一方,通信融合型情報端末を海外展開で拡大する。販売額は6130億円,販売台数は買い換え需要を中心に5%増の1550万台とする。国内外の台数は,2006年度が国内1060万台,海外410万台で,これを2007年度には国内1150万台,海外400万台を目指す。

太陽電池は2008年以降に伸び


 太陽電池は,富山工場でのSi生産がうまく立ち上がらず,供給がうまく行かなかったとする。生産量1300tの計画に対して600tに終わったとする。販売実績は4.2%減の1514億円である。「現在,工場の立ち上げを図っており,2007年後半に立ち上げるのを目標にしている。2008年以後は伸びると確信している」(佐治氏)とする。

液晶中心に投資を継続


 設備投資額は2006年度は前年比29.8%増の2842億円で,そのうち2045億円が亀山第2工場の液晶関連とする。減価償却の方式を変更し,5%を5年間で均等償却することで,2007年度の営業利益は200億円引き下げた格好になる。「節税効果もある」(佐治氏)とする。2007年度の設備投資額は前年比3.8%増の2950億円,うち1970億円が液晶関連で,亀山第2工場の3期展開を中心に使われるとする。次期工場については「夏ごろまでにアナウンスする」(佐治氏)と前言を繰り返した。

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