米Quickturn Design Systems, Inc.は,500万ゲート~2億ゲートという超大規模な回路・システムの論理検証を想定したEDA環境「PowerSuites」を発売した(リリース文)。同社のサイクル・ベース型論理シミュレータ「SpeedSim」と論理エミュレータ「CoBALT plus」などを組み合わせた。CoBALT plusはハードウエア・アクセラレータとして使う。

 上述の2製品に加えて,PowerSuitesには,RTLデータの設計ルール・チェッカ「Style Chek」, 同じ回路ブロックがあるときにコンカレントに処理してSpeedSimを高速化するための「MultiSim」,C言語で記述したテスト・ベンチをCoBALT plus内のCPUソフトウエア・モデルで高速処理するための「PowerBench」などが含まれる。

 SpeedSimとCoBALT plus間でデータをやりとりする「save/restore」という機能によって,たとえば問題の発見には高速のCoBALT plusを使い,その解析にはSpeedSimを利用できる。また,PowerSuitesでは,1台のCoBALT plusに対して,複数のSpeedSimという構成が取れるため,検証系全体としてはコストを圧縮することができるとする。PowerSuitesの出荷開始は1999年第3四半期の予定。

競合製品よりも高速・大容量

 論理シミュレータとハードウエア・アクセラレータ(論理エミュレータ)を組み合わせた検証環境は,米IKOS Systems, Inc.などがすでに提供している。既存製品と今回のPowerSuitesの違いは,「PowerSuitesの方が圧倒的に高速なうえ,大容量の回路に対応できる。また,ICE(in-circuit emulation)機能も優れている」(Director, Strategic MarketingのGeorge Zafiropoulos氏)という。ただし,Quickturn社のPowerSuitesは,論理エミュレータのCoBALT plusが高価ため,IKOS社などに比べてかなり高価になる。

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