リコーは,ファブレス半導体メーカーの新潟精密と,高周波無線用IC事業で提携契約を締結した。契約は主に以下の3つの内容から成る。(1)新潟精密が持つCMOS高周波無線技術とリコーのCMOSアナログ半導体技術を用いて,高周波無線製品群を共同で開発する,(2)新潟精密の既存製品と共同開発製品群をリコーが生産する,(3)これらの製品群を両社共同で販売する。

 今回の提携で,リコーは高周波アナログ信号処理技術などの新規技術を獲得し,ラジオ・チューナやワンセグ・チューナなどの新分野への進出,既存のCMOS製品の改良を目指す。一方,新潟精密はリコーの生産能力や販売網を利用して事業の拡大を図る。

 両社は携帯電話機などに向け,AM/FMラジオ・チューナ,トランスミッタ,ワンセグ・チューナなど向けのICをフルCMOSで1チップ化した製品群を共同で開発し,2007年下期から順次発売する計画。現在,こうした携帯電話機向けチップの製造プロセスにはバイポーラ-CMOSを使うのが主流だが,フルCMOS技術で実現することにより,大幅な小型化を図る。リコーによれば,ラジオ受信機能を持った携帯電話機の需要が世界的に高まりつつあるといい,こうした市場に切り込んでいく考えだ。